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  • 社会

「自分のやり方で恩返ししたかった」 台湾で個展開催の奈良さんインタビュー

2021/04/20 18:03
3月8日、台北市の総統公邸で朝食を共にする蔡総統(左)と奈良さん=総統のフェイスブックから

3月8日、台北市の総統公邸で朝食を共にする蔡総統(左)と奈良さん=総統のフェイスブックから

(台北中央社)東日本大震災発生から10年の節目の年である今年、画家の奈良美智さんの個展が台湾で初めて開催された。開幕から1カ月以上経った現在でも連日、入場人数が満員に達するほどの人気となっている。画家の奈良美智さんは中央社のメールインタビューに対し、台湾での個展開催に対する思いを語った。

今回の個展は台湾の非政府組織(NGO)中華文化総会が主催。来年2月にかけて台北、高雄、台南の3都市を巡回する。公益を目的としており、入場無料で開かれている。日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会が台湾への感謝を示すために開く「日台友情」行事の関連イベントに位置付けられる。

青森県出身の奈良さん。今回の個展は震災支援への恩返しとして開かれるが、開催にあたっては「自身の出身地や『日台友情』といった要素は頭になかった」と明かす。「友人が住んでいる国であり、日本が困っている時に助けてくれた国だから、自分のやり方で恩返しをしたかっただけ」と純粋な思いを吐露した。奈良さんは昨年春、台湾が新型コロナウイルス対策として日本に医療用マスクを寄贈したことに対し、短文投稿サイト「ツイッター」で蔡英文(さいえいぶん)総統に感謝の意を伝えた。その際に台湾での個展開催の意向を示したことから全てが始まったという。

今回の個展では、奈良さんが台湾のために制作した新作「Hazy Humid Day」が世界初展示された。奈良さんはこの作品に台湾への思いを込めたと説明する。台湾と日本の人々はそれぞれ異なるものの、変わらない自然と気候を自身の感性で理解し、描いたという。

奈良さんは展示作業のため、2月中旬に訪台。台湾が新型コロナの水際対策として入国者に義務付けている2週間の検疫(外出禁止)とその後1週間の行動制限措置を受けた。外出禁止期間は「全く辛いと思わなかった」と奈良さん。それどころか、あと何日か一人の時間がほしいと思ったほどで、隔離が解除された当日は寝過ごしてしまい、約束の時間に1時間余り遅れたと裏話を明かした。

奈良さんは「台湾好き」として知られ、これまでに10回前後訪台した経験を持つ。台湾には一緒に成長してきた仲間のような20数年来の友人がいるといい、「どんなに風光明媚な場所でも、結果的に最も大事なのは人」だと台湾を愛する理由を説明した奈良さん。東部・花蓮県の秘境「慕谷慕魚」の奥地でたまたまタロイモを植えていた台湾原住民(先住民)タロコ族の人々と一緒に芋植えをしたことが印象に残っているという。

(葉冠吟/編集:名切千絵)


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