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「市場の凱ちゃん」から「あん馬王子」、そして王者へ 進化し続ける李智凱/台湾

2021/08/03 19:11
台湾に体操初の五輪メダルをもたらした李智凱

台湾に体操初の五輪メダルをもたらした李智凱

(台北中央社)あん馬に飛び乗り、ぴんと伸ばした長い脚で美しい弧を空中に何度も何度も描いた。見事に着地すると、会場に沸いた大きな拍手と歓声。両腕を上げ、上を見つめる表情には達成感がにじんでいた。2度目の五輪に挑んだ李智凱(25)。体操男子種目別あん馬で、台湾の体操選手として初めて五輪メダルを手にした。

「台湾中が息をのんで見守った45秒だった」。試合後、蔡英文(さいえいぶん)総統はフェイスブックにこう記した。「当時、あんなに小さかった男の子が、練習に練習を重ねて五輪の銀メダリストにまでなった」――。

2005年に公開された映画「ジャンプ!ボーイズ(翻滾吧!男孩)」は、北東部・宜蘭県の小学校で体操の練習に励む少年たちとコーチを追ったドキュメンタリー。「市場の凱ちゃん」として取り上げられた李は、映画を機に台湾の人々に親しまれるようになった。新しい技を習得するたび、市場で披露して得た「満場の喝采」。あれから16年、挫折と努力を経て、今度は五輪の舞台で大喝采を浴びた。

中学を卒業後、小学生時代のコーチを追って、地元を離れ桃園の高校に進んだ。16年、20歳で初めて手に入れた五輪への切符。にもかかわらず練習中に負傷した。引退も頭をよぎったが、幼い頃に市場の大人たちからもらった達成感に支えられた。けがを抱えて臨んだリオ大会では落下し、予選敗退に終わったが、体操の道を諦めることはなかった。17年、台北で開催されたユニバーシアードで1位に輝き、18年のアジア大会では体操初の金メダルを台湾にもたらした。

東京五輪で演技を終えた李が最初に駆け寄ったのは、幼い頃から苦楽を共にしてきたコーチの元だった。スクリーンの中の「市場の凱ちゃん」は、いつしか台湾の人々の期待を背負う「あん馬王子」になっていた。2人が抱き合って喜ぶ姿は多くの台湾人を感動させた。

銀メダルが確定した後、李が流した涙には2つの意味があるという。1つは最高の演技を見せられた喜び。もう1つは、金メダルを獲得した英のウィットロックに及ばなかった悔しさだった。「もっと進化して、得意のトーマス旋回(開脚旋回)を天下無敵の技に仕上げる」。すでに「王者」の座を目指し、さらなる高みを見据えている。

(謝静雯、龍柏安、葉素萍、陳俊華/編集:楊千慧)


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