30回目にして初めて南部・屏東を会場とした今年の「台湾ランタンフェスティバル」(台湾灯会、2月19日~3月3日)。例年干支(えと)を題材にしていたメーン作品のデザインを地域の名産であるクロマグロにしたのをはじめ、趣向を凝らした作品やオブジェが多く展示されている。
▽ハローキティと初のコラボレーション
“癒し系のエリア”として注目を集めている農業海洋エリアには、サンリオの人気キャラクター「ハローキティ」ランタンが登場。高さ7メートルのハローキティは手にパイナップルを抱え、頭には農作業用の三角笠を着用。豊作を象徴しているという。
▽休憩スペースも芸術的に
主会場だけでも全て見て回るには少なくとも4時間はかかるという広大な敷地で開催されている今回のフェス。面積は38ヘクタールにおよぶ。休憩場所として会場内のあちこちにイスが設置されているのだが、県は、イスも芸術作品の一つにしようとデザイン性の高いランプなどをイスの周りに配置。屏東の郷土や地理、文化などを伝えている。来場者からは好評で、中には「美しすぎて座れない」という声も聞かれたという。
▽地元企業は発光魚をテーマに
観賞魚を輸出する屏東県の企業、芝林は数万枚のモザイクタイルを組み合わせて、夜間に光るチュウゴクオオサンショウウオの巨大オブジェ2体を制作。室内パビリオンにはロンドンの企業に依頼して設計した、テクノロジーを応用して発光魚との触れ合いを体験できるコーナーが設置されている。
▽日本の地方自治体や企業7団体も出展
国際交流エリアには、日本から札幌市、新潟県、千葉県、名古屋市、香川県、近鉄グループ、東武グループが参加。4年連続での出展となる千葉県は県のマスコット「チーバくん」に加え、犬吠埼灯台や銚子に伝わる祭り太鼓「はね太鼓」、大漁旗をなびかせた漁船などをデザインしたランタンを展示した。
開幕パレードやステージには、日本各地のパフォーマンス団体も出演した。台湾のファーイースタン(遠東)航空とランタンを共同出展した新潟県は、佐渡市の鬼太鼓グループを派遣。パフォーマンスを通じて台湾の人々に地元の文化を紹介した。また、訪問団は屏東県の潘孟安県長と面会し、交流を深めた。
▽300機のドローンで光のショー
初の試みとしては、インテル社のドローン(小型無人機)300機が夜空を光で彩るショーが上演された。無人機は屏東の名物であるクロマグロや凧、台湾最南端・鵝鑾鼻(ガランピ)の灯台などの形を空中に描き出し、観客を魅了した。
台湾ランタンフェスは主会場の大鵬湾のほか、東港市街地、屏東市内の3カ所で開催。3月3日に閉幕する。
(編集:名切千絵)