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台湾各地のグルメが集結 多様性を紹介=台湾美食展

2018/08/24 05:03
「2018台湾美食展」入口
「2018台湾美食展」入口

台湾のグルメが集結する「台湾美食展」が8月10~13日、台北市の台北世界貿易センター1号館で開かれた。台湾の飲食業者のPR支援とグルメの国際交流のために台湾観光協会が毎年開催している同イベント。27回目の今年は「Good-eating Taiwan」をテーマに、台湾グルメの「地域性」にスポットが当てられた。

▽台湾各地の国家風景区のグルメが勢ぞろい

会場のほぼ中央には、北から南、離島まで全国12の国家風景区管理処が揃って出展するエリアが設置された。各ブースでは、ご当地の名産を紹介。台湾原住民(先住民)が暮らす茂林(高雄市)や日月潭(南投県)、阿里山(嘉義県)など各管理処ブースでは、伝統衣装姿のスタッフが商品を紹介したり、試食を配ったりしていた。

「山海宴-国家風景区美食テーマ館」
「山海宴-国家風景区美食テーマ館」
各風景区の名物メニューも展示された
各風景区の名物メニューも展示された

▽増加するムスリム観光客をターゲットに

南アジアや東南アジア諸国との関係強化を目指す「新南向政策」を進めている台湾。観光局はこれらの国々に対する観光誘致に力を入れている。2017年の統計では、地域別の訪台客数に新南向市場が占める割合は2015年の15%から21%に増加した。これらの市場にはムスリム(イスラム教徒)が多いことから、今年の同展では「ムスリム美食館」を設置。ムスリム向けのメニューを提供する飲食店などが出展した。

中でも目を引いたのは、ムスリム対応の「ハラール認証」を取得した食品や飲料などを提供する自動販売機。台湾では初めてだという。自販機を開発した清真国際聯合(新北市)の担当者によると、同機はまだ市場での運用はされておらず、今年末の運用開始を目指す。まずは病院などに設置する予定だという。

ムスリム対応の自販機。支払いはイージーカード(悠遊カー)などの電子マネーで行う仕組み。観光客だけでなく、東南アジアからの出稼ぎ労働者もターゲットとし、食品だけでなく通信用のプリペイドカードなども販売する(左)自販機で販売されるハラール認証を受けた食品(右)(カー=上の下にト)
ムスリム対応の自販機。支払いはイージーカード(悠遊カー)などの電子マネーで行う仕組み。観光客だけでなく、東南アジアからの出稼ぎ労働者もターゲットとし、食品だけでなく通信用のプリペイドカードなども販売する(左)自販機で販売されるハラール認証を受けた食品(右)(カー=上の下にト)
ムスリム美食館の出展者の中にはかき氷の有名店「アイスモンスター」も(左)。アラビア語で自分の好きな文字を書いてもらうサービスも行われた。これは「観光局」と書いてあるという(右)
ムスリム美食館の出展者の中にはかき氷の有名店「アイスモンスター」も(左)。アラビア語で自分の好きな文字を書いてもらうサービスも行われた。これは「観光局」と書いてあるという(右)

▽精巧な野菜彫刻も展示

野菜で作った彫刻作品を展示するエリアもあった。出展作の一つの作者で、台湾や世界の大会で数々の金メダルを獲得している高世達(東方設計大学飲食管理学科講師)さんによると、出展作品にはタロイモ200~300個やサツマイモ、ニンジン、カボチャなどを使用。約2週間で完成させたという。

高世達さん(右)とその作品(左)
高世達さん(右)とその作品(左)

▽庶民派グルメの人気店が一堂に

お昼時に多くの来場者で賑わっていたのは、各地の庶民派グルメの人気店が集結する経済部出展の「美味食光」エリア。今年は「魯肉飯フェス」も合わせて開催され、複数の魯肉飯店が立ち並んだ。

「美味食光」エリア(左)、海鮮なども販売された(右)
「美味食光」エリア(左)、海鮮なども販売された(右)
特に行列ができていたのは、南部・高雄市旗津の「海浜海産」。イタヤガイやエビなどの海鮮の下に春雨を入れ、その場で蒸したメニューを提供しており、その蒸気に引きつけられるかのように、来場客が次々と列に加わっていた。
その場で料理を蒸し上げる「海浜海産」のブース(左)。多くの人が注文していたイタヤガイの春雨(右)
その場で料理を蒸し上げる「海浜海産」のブース(左)。多くの人が注文していたイタヤガイの春雨(右)

▽その他のエリア

「台湾農業館」では、台湾各地の農産物や加工品などが紹介された
「台湾農業館」では、台湾各地の農産物や加工品などが紹介された
 
原住民族委員会のエリアでは、様々な先住民グルメが紹介された。ルカイ族やパイワン族で食べられる、アワを使った粽「小米粽」(左)。もち米に比べ、軽い食感が特徴。先住民の酒といえば「小米酒」が有名だが、クラフトビールも作られている。「巴索」(BAZU)のクラフトビールは東部で栽培される果物と台湾キヌアを材料に、先住民の醸造技術で製造されている(右)
原住民族委員会のエリアでは、様々な先住民グルメが紹介された。ルカイ族やパイワン族で食べられる、アワを使った粽「小米粽」(左)。もち米に比べ、軽い食感が特徴。先住民の酒といえば「小米酒」が有名だが、クラフトビールも作られている。「巴索」(BAZU)のクラフトビールは東部で栽培される果物と台湾キヌアを材料に、先住民の醸造技術で製造されている(右)

 日本からの出展もあった。香川県や岩手県、札幌市はそれぞれブースを設置。岩手県は、昨年台湾で日本産牛肉の輸入が解禁されたこともあり、県産ブランド牛「いわて牛」の販売や試食を実施。試食には多くの人が列をなした。

岩手県産牛肉の試食に並ぶ来場者(左)。会場で販売された「いわて牛」(右)
岩手県産牛肉の試食に並ぶ来場者(左)。会場で販売された「いわて牛」(右)
香川県(左)、札幌市(右)のブース
香川県(左)、札幌市(右)のブース

 (名切千絵)

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