フォルモサ美石特別展 神様のキャンバスを展示

「フォルモサ美石特別展」が10月29日まで国立台湾博物館で開催されている。台湾ヒスイ（軟玉、ネフライト）、台湾墨玉、薔薇輝石などの宝石鉱物5種類が紹介されている。「神様のキャンバス」と呼ばれる石片画も観客の視線をくぎ付けにする。

「フォルモサ美石特別展」は国立台湾博物館が国立東華大学、経済部（経済産業省に相当する）鉱務局と提携し、主催したもの。テーマは「台湾の宝石」と「洄瀾石芸」で、石彫、石画、石片画、石片光画など計400点近くが展示されている。

「台湾宝石」展示エリアでは台湾ヒスイ（軟玉、ネフライト）、台湾墨玉、薔薇輝石、文石、玉髄などを展示。中には、台湾ヒスイと台湾墨玉が共生した玉石を彫刻し完成させた長さ190センチの剣や、重さ127キロにもなる台湾最大の青玉髄もある。

「洄瀾石芸」展示エリアには石片画のほか、ライトに照射された石片光画が展示されている。石片画は地殻変動、プレート運動、高温、高圧などによって、薔薇輝石などの変質岩に含まれる様々な色彩の鉱物が美しい色合いと縞模様を織り成し、山水画や水墨画のように見えることから、「神様のキャンバス」と言われている。四季折々の景色、怒涛、断崖絶壁のような風景は圧倒的な美しさで観客を魅了する。

「洄瀾石芸」エリアには万華鏡ルームも設置されている。顕微鏡で観察した鉱物の色彩などの映像を通じて、来場者は豪華絢爛の環境を体験できる。万華鏡ルームは世界を舞台に活躍する前衛芸術家、草間弥生の作品「ミラールーム」を思わせる。

台湾はフィリピン海プレートとユーラシア・プレートが密にぶつかり合う地帯にあり、数百万年の歳月を経て、海抜3952ｍの玉山と高い山々が生まれた。複雑な地質の作用によって岩石層ができ、地層には金銅鉱、宝石、石材などが多く含まれている。台湾の花蓮から台東の間に延びる花東地区は「地質の天国」、「玉石の故郷」などの美名を誇っている。

（楊明珠）