第51回電視金鐘奨　主演女優賞は全員が受賞未経験　ノミネート紹介＜3＞

台湾の権威あるテレビ番組アワード「ゴールデン・ベル・アワード」（電視金鐘奨）の第51回授賞式が10月8日に台北市内で開かれる。発表を前に、主要部門のノミネート者・作品を紹介する。

ドラマ部門（戲劇節目）の主演女優賞。主演男優賞と同じく、全員が同賞の受賞未経験。ノミネートはシェリル・ヤン（楊謹華、38）が3回目、リー・チェンナー（李千娜、31）とゲイル・リン（林嘉俐、45）は2回目。アリス・クー（柯佳[女]燕、31）とシンディー・リエン（連兪涵、29）は初めて候補に名を連ねた。

◇「一把青」から2人同時ノミネート

今年最多ノミネートの歴史ドラマ「一把青」から、シェリル・ヤンとシンディー・リエンが同時に入選を果たした。

シェリルは同作では空軍飛行隊隊長の妻で、自分の愛する人々を守ろうと強い心で難関に立ち向かう、優しくも毅然とした女性、チェンイー（セン儀）を演じた。これまで「敗犬女王」や「逆転!赤ずきん」（大紅帽与小野狼）、「女王的誕生」など数々のドラマで主演を務めてきたシェリル。金鐘奨へのノミネート経験は4回（うち1回は助演女優賞）あるが、いずれも受賞は逃している。今回は初受賞なるか。（セン＝くさかんむりに千）

シェリルは知らせを受け、審査員に対しての感謝の言葉をコメント。勝算を尋ねられると「勝算は私に聞かないで。審査員に頭を悩ませてもらいましょう」と語った。

一方のシンディーは、国共内戦時代における悲痛な死別を経て、純朴な女学生から妖艶な女性へと変貌を遂げるチュウチン（朱青）を演じた。シンディーは2009年からミュージックビデオ（MV）やショートフィルムへの出演を開始。演技経験は多数あったものの、ドラマ出演は同作が初。感情の移り変わりの多い難しい役を好演し、新人賞にもノミネートされた。

ノミネート発表直後、「驚いた」と語ったシンディー。応募したのは新人賞だけだと思っており、主演女優賞に自分の名前が挙がるとは想像さえしていなかったという。

◇栄冠に2度目の挑戦

チェンナーは脊髄小脳変性症を題材にした「失去[イ尓]的那一天」で、難病を患った主人公を持ち前の明るさで支えるホー・シュエン（何萱）を演じた。チェンナーは音楽オーディション番組出身。だが、女優としても才能を存分に発揮しており、2010年には映画賞「金馬奨」で新人賞を受賞した。金鐘奨主演女優賞へのノミネートは2012年以来となる。

映画館でホラー映画を見ようとしていた際に入選の知らせを聞いたというチェンナー。その際、全身は震え、涙も出てきたという。「でもこれは感動の涙で、映画で泣かされたわけじゃない。ノミネートは自分に対する評価。今後もさらに様々な役にたくさん挑戦していきたい」と話した。

実在の看護師の人生を描いた「吉姉当家」で、主人公の沈芳吉の学生時代からスーパーバイザーになるまでを演じたゲイル。これまで数々のドラマなどに出演し、2004年には金鐘奨助演女優賞を受賞している。

ゲイルはフェイスブック上で「『吉姉当家』がなぜ露出度がかなり高いアイドルドラマの中に混じれたのか」とノミネートの驚きをコメント。同賞の受賞と同作がより多くの人に見てもらえることを願った。

◇初ノミネート

アリスはラブコメディー「結婚なんてお断り!?」（必娶女人）で、仕事を勝ち取るためには手段を選ばない敏腕の会社員、ホァンジェン（環真）に扮した。人前ではかなり強気な一面を見せる一方、弱い内面も併せ持つ女性の心の動きを繊細に表現した。

「うれしい気持ち。でも現実味がない」とノミネートは予想外だったことを明かし、「去年の撮影は大変だった。（相手役の）ロイ・チウもノミネートされていたと聞いてうれしい」とペア入選について喜びを語った。