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旧日本軍宿舎、3年かけ修復へ 台南市「良質な文化体験提供したい」/台湾

2020/07/28 19:05
来月修復工事が始まる旧日本軍の宿舎群

来月修復工事が始まる旧日本軍の宿舎群

(台南中央社)南部・台南市内に残る旧日本軍の宿舎群で27日、修復工事の地鎮祭が行われた。これに伴い、同宿舎群を活用した芸術村「321巷芸術聚落」の運営は一時休止される。同市文化局は、今後は地元の芸術や文化、工芸などと結び付いた古跡パークとして、市民や観光客により質の高い文化体験を提供したいとしている。

文化部(文化省)や同市文化資産管理処の資料によれば、宿舎群は、1930(昭和5)年前後に建てられた旧日本陸軍歩兵第2連隊の2戸1棟の長屋8棟と、1950年代に新たに設けられた戸建て2棟からなる。戸建てが新築されたのは、戦後、宿舎群が「台湾省立工学院」(現・成功大学)の教員に宿舎として提供されたためで、このうち1棟は火事で焼失しており、現存するのは9棟。台湾における日本統治時代の陸軍宿舎群が完全な形で残る希少なケースとされ、2003年に「原日軍歩兵第二聯隊官舎群」の名称で同市の古跡に登録された。

同市は2012年から宿舎群に国内外の芸術家を招致し、芸術村として活性化する計画を進め、13年に321巷芸術聚落がオープン。展示やイベントなどが行われる芸術空間として親しまれてきた。

修復工事では、建物9棟のほか、付属施設や囲い、庭などが全面的に修繕される。地鎮祭に出席した黄偉哲市長は同市が工費として1億1600万台湾元(約4億1800万円)を投じるほか、文化部からも7700万元(約2億7800万円)の補助が出ると説明。中央政府と地方自治体が一体となり、歴史的な意義を持つ建物を保存しようとする決意の表れだと強調した。着工は来月で、竣工は2023年8月となる予定。

宿舎群の付近には、旧日本陸軍が台南に設けた将校らの親睦組織、偕行社の建物や1917(大正6)年に開園した台南公園、旧台湾総督府専売局台南出張所など、日本とゆかりのあるスポットが多く点在する。

(楊思瑞/編集:塚越西穂)


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