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“教材”は旧日本軍宿舎 古建築の保存技術伝える講座、屏東で/台湾

2020/09/08 16:25
“教材”は旧日本軍宿舎 古建築の保存技術伝える講座=屏東県政府提供

“教材”は旧日本軍宿舎 古建築の保存技術伝える講座=屏東県政府提供

(屏東中央社)日本統治時代に建設された文化財の修復工事に立ち会い、修復・再活用に必要な知識・技術を学ぶ市民講座が7日、南部・屏東県屏東市で初めて開かれた。同県政府は、古建築の価値や保存の重要性などに対する市民の理解が深まることに期待を示している。

生の教材となったのは、旧日本軍の官舎を修復・再活用した文化エリア「勝利星村創意生活園区」(勝利星村、V.I.P ZONE)の一部を構成する崇仁眷村。文化部(文化省)などの資料によれば、前身は太平洋戦争勃発を受け、屏東飛行場に駐屯する旧日本陸軍飛行戦隊の規模が拡大されたのに伴って増設された宿舎群で、瓦屋根や雨戸など、日本建築の特色を有する。戦後は中国から移り住んだ軍人やその家族らが暮らした「眷村」となった。同県の勝利星村再整備プロジェクトによる修復が進められており、2018年に同県の歴史的建造物に登録された。

講座は同県政府城郷発展処と文化処が共催。建築士や古建築の修復を県に申請している市民ら15人が参加し、現在修復工事が行われている宿舎内で、同県建築士公会(同業組合)の専門家から工法や技術などに関する講義を受けた。参加者の一人は、歴史の流れを伝える建物に身を置くと古建築保存への使命感が強まり、修復現場を解説を受けながら見て歩くことで、日本の宿舎建築の美しさを感じ取れたと話している。

城郷発展処によると、文化部は補助金制度を設けて1971年までに建てられた価値ある建築物の保存・再活用を奨励しているが、同県から申請が出され、認められているのは4件のみで、他県市より少ないという。同処は、主な原因の一つに、古建築を再活用するという概念が浸透していないことがあると指摘。この講座を通じて文化資産を大切にする気風を育て、それが地方創生にもつながることに期待を示した。

(郭芷瑄/編集:塚越西穂)


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