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  • 社会

台湾の若手イラストレーター、村上春樹さん書籍の装画・挿絵を担当

2020/03/26 15:07
村上春樹さんのエッセー「猫を棄てる 父親について語るとき」の表紙(文藝春秋提供)。絵を台湾のイラストレーター、高妍さんが手掛けた

村上春樹さんのエッセー「猫を棄てる 父親について語るとき」の表紙(文藝春秋提供)。絵を台湾のイラストレーター、高妍さんが手掛けた

(台北中央社)台湾の新進気鋭のイラストレーター、ガオ・イェン(高妍)さんが、来月23日に日本で刊行される作家、村上春樹さんのエッセー「猫を棄てる 父親について語るとき」の装画と挿絵を手掛けたことが分かった。出版元の文藝春秋が25日、発表した。ガオさんは同日夜、自身のフェイスブックで、村上さんの書籍に起用されたことについて「夢にも思わなかった」とつづり、喜びを明かした。

同書は、村上さんが初めて自らのルーツをつづったノンフィクション。第2次世界大戦で中国戦線に出兵した父親の過酷な体験や、幼少期の父親との思い出、成長した後に父親との間で生じた葛藤や和解について書かれている。昨年5月に文芸誌「文藝春秋」で「猫を棄てる――父親について語るときに僕の語ること」と題して発表された文章を加筆修正し書籍化する。単行本にはガオさんが描いた装画と12点の挿絵が使われている。

ガオさんは1996年、台北生まれの23歳。台湾芸術大視覚伝達デザイン学科卒業後、沖縄県立芸術大絵画専攻に短期留学した経験を持つ。2018年に自費出版した私小説的漫画「緑の歌」は音楽家、細野晴臣さんの歌から着想した。作中に挿入される曲の歌詞を手掛けた松本隆さんがSNSで同漫画を紹介したことで一躍注目を集め、同漫画は日本語版も制作された。昨年11月には中国語・日本語2カ国語表記の漫画「間隙 すきま」を出版したほか、今年2月にフランスで開かれたアングレーム国際漫画祭に台湾代表として参加するなど、台湾、日本で精力的に活動している。

村上さんの作品から影響を受け、自費出版した書籍にも村上さんの文章や言葉を引用するほど村上さんを尊敬しているというガオさん。依頼のメールをもらった時は「手の震えを抑えないと読めないくらい興奮しました。興奮というより、むしろ驚いてしまったと言った方が近いかもしれません」と当時の心境を振り返りつつ、「突然とんでもないお仕事をいただき、大きな責任感がだんだんプレッシャーに転化してしまいました」と重圧を感じていたことを告白した。

「今回のお仕事も、これまでに起きた様々な素敵な出来事も、ただ必死に絵を描いている私にとっては、夢にも思わなかったこと」だとし、「このすべての奇跡は、『創作の⼒は、私たちをもっと遠くて、想像できないところまで連れていく』ということの証明だと思っております」と巡り合わせをかみしめた。

(陳政偉/編集:名切千絵)


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