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  • 社会

日本時代の官展図録を復刻 台湾美術史研究の「新たな始まり」に

2020/03/25 13:29
復刻出版された「台湾美術展覧会(台展)」と「台湾総督府美術展覧会(府展)」の図録

復刻出版された「台湾美術展覧会(台展)」と「台湾総督府美術展覧会(府展)」の図録

(台北中央社)日本統治下の台湾で開催されていた官展「台湾美術展覧会(台展)」と「台湾総督府美術展覧会(府展)」の図録が復刻出版され、23日、台北市内で発表会が開かれた。計画に参加した成功大学(台南市)の蕭瓊瑞教授は、忘れ去られていた多くの芸術家が今回の復刻で日の目を見ることになったと話し、出版と同時に台湾美術史の研究の新たな始まりとなったと喜びを示した。

台湾の近代美術は日本統治時代に発展を遂げたとされる。当時台湾には専門の学校がなく、展覧会での交流が学習の機会となっていたと国立台湾美術館(台中市)の林志明館長は説明。「官展への入選はその芸術家の影響力を決定づけるもの」だったという。1927年から10回にわたって開催された台展と、1938年から6回開かれた府展は、楊三郎、陳澄波、郭雪湖、林玉山など多くの著名な台湾人画家を輩出した。

図録の復刻出版は、文化部(文化省)の台湾美術史の再構築を目指すプロジェクトの一環として行われ、同館が計画を策定。美術雑誌「芸術家」が出版を手掛けた。復刻版の元となった原本は全て、同誌を創刊した何政広さんのコレクション。紙の劣化がすでに進んでおり、作業は困難だったという。紙面のスキャンや絵画の修正など、完成まで1年を要した。

図録に書かれていた日本語は、復刻の作業の中で誤字が多く見つかったが、あえて修正せずに出版。林館長は、誤りも歴史の一部だとした上で「歴史を変えるわけにはいかなかった」と意図を語った。

計16冊の図録のほか、誤字を正し、中国語での作品の目録などを加えた別冊も刊行された。復刻版では原本通り白黒だが、別冊は絵をカラーで見られる。計画に賛同した陳澄波や林玉山の子孫から寄せられた絵画の元データが使用された。

林館長によれば、国立台湾美術館では台展や府展を紹介する展覧会を企画しており、年末の開催を予定しているという。

(鄭景ブン/編集:楊千慧)


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