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  • 社会

日本から来た「妖怪」呼称 再定義を提唱=作家・何敬堯さん/台湾

2019/05/14 19:53
何敬堯さん

何敬堯さん

(台北 14日 中央社)台湾では近年、台湾の妖怪を題材にした書籍が続々と発売されている。今月上旬に出版された「妖怪台湾地図:環島捜妖探奇録」の作者、何敬堯さんは台湾全土を巡り、各地の妖怪にまつわる民話や伝説を調査してきた。何さんは中央社のインタビューに、台湾の妖怪研究への思いやその課題について語った。

▽妖怪を研究 日本時代の文献も参考に

これまでにも、伝説を基にしたファンタジー小説「妖怪鳴歌録Formosa:唱遊曲」や歴史書「妖怪台湾:三百年島嶼奇幻誌‧妖鬼神遊巻」など、妖怪関連の書籍を執筆してきた何さん。「妖怪台湾」では17世紀の大航海時代から日本統治時代までの文献に登場する台湾の「妖怪」や「魔物」、「異譚」などに関する記載をまとめ、各地の妖怪を系統的に紹介した。

何さんは同書執筆にあたり、日本統治時代の1923(大正12)年に出版された「生蕃伝説集」を読んだといい、日本の古本屋で探し出したというその黄ばんだ本を見せてくれた。「生蕃」とは当時の山地先住民の呼称で、同書には先住民の魔物や霊にまつわる物語が多数掲載されている。人類学者の佐山融吉と大西吉寿が執筆し、洋画家の塩月桃甫が挿絵を担当した。何さんは、先住民の伝説をテーマに描いた塩月の木版画は非常に特色があると感嘆する。

これらの文献をまとめることで、ファンタジーを書きたい創作者に対してより豊富な素材を提供し、台湾ならではの作品を生み出してもらいたいと話す。同時に、より多くの優秀な学者が伝説の研究に加わることを期待する。

▽学術界で容認されない「妖怪」 再定義を提唱

だが、台湾の学術界では、「妖怪」は日本文化の影響を受けた結果であり、台湾古来の民俗文化ではないとの見方もある。何さんによれば、多くの台湾の学者は「妖怪」を「超自然の妖異現象を指す日本から伝わった用語」とみなし、この名称を認めていないという。

何さんは妖異な存在の呼称について、日本の経験を参考にできると提案する。日本で「妖怪」という名称が広く使われ始めたのは明治時代からで、その前は「もののけ」や「怪物」などと呼ばれていたと説明。その上で、台湾も「妖怪」という外来語から、昔から伝わる神話や伝説、民話などに登場する妖異な存在を改めて考えてみてはどうかとの考えを示す。

何さんは、台湾の民話が次の世代に受け継がれていなくなっている現状にため息を漏らす。若者が民話を知らないということへの驚きが、何さんを台湾の妖精や魔物、神霊、怪談の研究に没頭させる原動力になっている。

(陳政偉/編集:名切千絵)


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