(台北 28日 中央社)日本統治時代に建立された「円山水神社」(台北市)に落書きをしたとして文化資産保存法違反の罪に問われた男に対し、士林地裁は27日、懲役6カ月の判決を言い渡した。罰金18万台湾元(約66万円)の支払いによる服役の代替も可能。被告が判決に不服の場合は上訴できる。
士林地検の起訴状によると、男は昨年8月13日午後11時ごろ、白いペンキを所持して同神社に赴き、祠(ほこら)の柱4本に「日寇倭奴狗畜生」(侵略者の倭奴は犬畜生)、「奪台殺民一百万」(台湾を奪って100万人の市民を殺した)などの文字を書いた。日本に統治された歴史に抗議するためだったと供述している。
同神社は台北市の古跡に登録されている日本統治時代の水利設備「草山水道システム」の施設の一つ。検察側は、神社は水道の建設工事で殉職した人々を追悼し、水の安定供給を願うために建立されたもので、歴史的、文化的な価値を持つと認定。男の行為は悪意を持った古跡の破壊に当たるなどとして実刑判決を求めていた。
同神社で落書きが発覚した際、こま犬が盗まれたことも明らかになったが、被告はこれについては容疑を否認しているという。
(蕭博文/編集:塚越西穂)