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金庸氏が死去 武侠小説で読者を魅了、台湾では禁書扱いの時代も

2018/10/31 16:25
金庸氏

金庸氏

(台北 31日 中央社)中華圏で絶大な人気を誇る中国出身の武侠小説家、金庸氏が30日、香港の病院で死去した。94歳だった。香港メディアが同日伝えた。これを受け、同氏の死去を悼むコメントを自身のフェイスブックに投稿した政治大学台湾文学研究所の陳芳明教授は同日、中央社の電話取材に応じ、金庸作品を読むことは冒険であり、権威主義体制への挑戦、批判でもあったという学生時代を感傷的に振り返った。

金庸氏の作品は戒厳令下(1949~87年)の台湾では禁書扱いだった。陳教授によると、金庸氏が1959年に香港で日刊紙「明報」を創刊し、国民党政権を頻繁に批判したことから、政治色の薄かった小説まで槍玉に挙がったという。

陳教授は、金庸氏の貢献の最たるものは「歴史を生き生きと描いた」ことだと語る。小説の登場人物の多くは虚構であるものの、時代背景や歴史は真実に非常に近く、その巧みなバランスが読者を魅了した。こういった手法は、後に大学で教えるようになった時、学生にも伝えたという。

金庸ファンが多い台湾では、各界から哀悼の声が相次いでいる。総統府の林鶴明報道官は30日、金庸氏の作品は無数の映像作品の原点にもなっており、中華圏の文化に深い影響を与えたと述べ、氏の死去を「文壇の多大な損失」と嘆じた。

頼清徳行政院長(首相)も同日、自身のフェイスブックに、金庸氏の武侠世界が楽しさだけでなく、多くの啓発も与えたことに感謝するコメントを投稿し、「安らかに」とつづった。

鄭麗君文化部長(文化相)は同日、報道資料を通じて金庸氏の小説が映像化もされ、世代の異なる視聴者に大きな影響を与えたことに触れ、「まさにレジェンド」と生前の活躍をたたえた。

金庸氏は中国大陸・浙江省出身。大学卒業後、新聞社に就職し、1948年に香港に移住。55年に夕刊紙に処女作となる武侠小説「書剣恩仇録」の連載を始めて人気作家となった。これまでに発表された作品の多くはドラマや映画、ゲームなどにもなって中華圏に広く浸透した。小説は日本語にも翻訳されている。

(葉素萍、鄭景ブン、陳至中、汪宜儒/編集:塚越西穂)


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