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蔡総統が目指す「国民裁判官」制度施行 市民団体が陪審制採用を訴え

2020/05/26 14:00
民間団体「台湾陪審団協会」のメンバーら

民間団体「台湾陪審団協会」のメンバーら

(台北中央社)蔡英文総統が2期目の就任演説で、今後4年以内に「国民裁判官」制度の施行を目指す考えを示したのを受け、市民団体は25日、台北市の立法院(国会)で記者会見を開き、選ばれた国民が職業裁判官と共に評議し事実認定を行う「参審制」ではなく、陪審員が裁判官から独立して議論して決める「陪審制」を採用するよう政府に呼び掛けた。

司法院は最重要な司法改革の一つとして、刑事裁判への市民参加を可能にする「国民参与刑事審判法」の制定を目指している。2018年4月に最初に法案が立法院に提出されたが、第9回立法委員(国会議員)の任期内に成立せず、廃案となった。今年3月に法案が再び行政院院会(閣議)で決定され、立法院に提出された。司法院は立法院に出した報告で、「国民裁判官」は陪審制、参審制の長所を融合させ、性質上では日本の裁判員制度に近いものだと説明している。

法案では、3人の職業裁判官と6人の国民裁判官が共同で裁判を進行すると規定。10年以上の有期懲役の罪やその他の故意の犯罪により死者を出した事件を対象とし、少年審判や毒品危害防制条例に関する事件は対象外とした。国民裁判官に選任される資格要件については、満23歳以上で、高校卒業またはそれと同等の学力を有し、かつ地方裁判所の管轄区域内に4カ月以上連続して居住する中華民国国民とした。さらに、国民裁判官制度の2023年施行が明記された。

同法案に対し、民間団体からは陪審制と参審制を並行して試験的に実施するよう求める声が上がっている。並行試行への支持を表明する署名活動が先月末に開始され、発起団体によれば、今月初旬の時点で150を超える団体、881人の個人が賛同したという。

この日記者会見を開いたのは、陪審制の導入を目指す民間団体、台湾陪審団協会。同協会は、世情に通じない「恐竜裁判官」の存在や汚職の増加によって司法への信頼が崩壊していると指摘し、司法への信頼を高めるために陪審制が必要だと主張している。司法制度を真に改革するなら、裁判官が評議に干渉する参審制を捨て、台湾の民主主義の価値を真に体現できる公平、公正な陪審制を採用すべきだと呼び掛けた。

一方の司法院は先日、陪審制を採用しない10の理由を公表。評決不能が生じやすいことや、結論のみを示す「一般評決」のために事後検証が行えないこと、コストや国民の負担の増大など陪審制のデメリットを挙げた。陪審制、参審制の並行試行に関しては、関連の制度を複雑化し、国民の負担も増大する上に、市民参加制度の目的に反するとして支持しない考えを示した。

(王揚宇、温貴香、劉世怡、顧セン/編集:名切千絵)


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