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駐台代表、沼田幹夫氏インタビュー 「真剣勝負」で日台関係深化に尽力

2019/10/06 11:28
今月中旬で離任する日本台湾交流協会台北事務所の沼田幹夫代表

今月中旬で離任する日本台湾交流協会台北事務所の沼田幹夫代表

(台北中央社)日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会台北事務所の沼田幹夫代表(大使に相当)が2日、中央社のインタビューに応じた。「外交の世界は真剣勝負で、相手を尊敬し、要望を達成するためには本当の友情が必要」と語る沼田氏。5年3カ月にわたった任期中この精神を貫徹し、今月中旬で離任する。日台関係や台湾への思いなどを聞いた。

▽日台関係

着任した2014年当時、日台間の人的往来は年間300万人強であったが、今では700万人に近づこうとしている。こうしたこと自体が日台関係の緊密さを表している。日台関係は馬英九前総統と蔡英文総統の下で大きく発展した。特に馬政権下では、当協会と台湾日本関係協会との間でオープンスカイ(航空自由化)取決めや日台漁業取決めなど、その後の日台関係の基礎となる協力文書に署名した。こうした関係が将来に引き継がれることに期待する。

▽台湾が切望する環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)参加に対する日本の姿勢

菅官房長官はこれまでに2回、台湾の参加について歓迎を表明している。だが、CPTPPはコンセンサス方式が取られているため、全加盟国が合意しなければ実現が難しいこと、また、CPTPPが目指す関税撤廃が招くリスクに対する十分な準備と覚悟が必要であることは理解してもらいたい。

▽台湾が国際機関から排除されている問題について

台湾の国際空間が狭まっている件は深刻な問題と認識している。空の安全や公衆衛生、防災などの諸問題は世界中の人に影響をもたらすにもかかわらず、台湾が排除されている。特に感染症などは外交問題ではなく人命に関わる問題で、台湾が世界保健機関(WHO)に参加できない状況は異常だ。

▽任期中に最もうれしかったことと心残り

うれしかったのは、3年前に「台湾高校生日本留学事業」を開始したこと。われわれの未来は若い人が担うもの。親日とまでいかなくとも、彼らに日本を知ってもらうことは大変大事だ。これまでに約60人の高校生が日本へ留学した。心残りは日本食品の輸入制限措置を解決できなかったこと。日台双方で政治問題になってしまった。台湾の方々の中には大きな問題と認識されていない方もいるかもしれないが、台湾がCPTPPに参加することを歓迎している日本の意欲をそいでいることになる。残念だ。

▽台湾に対する印象、好きな場所

これまで中国や米国、ミャンマーなどで生活したが、台湾は本当に優しい、安全な社会で、私の第二の故郷だ。以前、台北メトロ(MRT)に乗った時、女子高生が席を譲ってくれた。日本ではもうないことで、感激した。好きな場所は総統府。5年間本当によく足を運び、馬前総統、蔡総統に大変お世話になった。総統府は日台関係の象徴だ。今年は築100年を迎える。日本人が建てた建築物を100年間台湾の人が守り続けてくれたことに、感謝しかない。



沼田氏は2014年7月に着任。任期中には日台間で、経済や漁業、防災、教育などの取決めや協力覚書が20項目締結されたほか、17年1月には同協会の名称が従来の「交流協会」から現行の「日本台湾交流協会」に改められた。これらの功績が高く評価され、先月27日に外交部(外務省)の褒章「特種外交奨章」が、今月1日に中華民国の勲章「大綬景星勲章」が授与された。同2日には北部・桃園市から名誉市民の称号が贈られた。

(塚越西穂)


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