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ソロモン諸島の世論「台湾支持」が圧倒的 経済的支配力増す中国に不安感

2019/09/11 11:42
ソロモン諸島の首都ホニアラにある中央卸売市場

ソロモン諸島の首都ホニアラにある中央卸売市場

(ホニアラ 11日 中央社)今年4月に発足した新政権下で中華民国(台湾)との外交関係見直しが伝えられているソロモン諸島。中央社が現地で行った取材を通して、世論では台湾との国交維持を希望する声が圧倒的であることが分かった。一方で、中国が現地で経済的な支配力を強め、国民の不安をあおっている現状も明らかになった。

ソロモン諸島は1983年に台湾と国交を樹立。以来36年にわたって友好関係が続いてきたが、4月に首相に就任したソガバレ氏が、台湾との関係を検討し直す意向を表明した。だが、廖文哲駐ソロモン大使によると、同国の国民は8~9割が台湾を支持しているという。記者が首都ホニアラで一般市民に行ったインタビューでもこのような傾向が確認された。

タクシーの運転手は台湾について、農業、医療分野で多くの支援をしてくれたほか、過去に民族紛争で疲弊した国の再建をサポートしてくれたと称賛。ソロモンの大切な友人であり、政府が中国と国交を結んだら「国民は失望する」と語った。

ソロモンでは台湾から派遣された農業技術団が地元の人々にイネや野菜の栽培に関する技術指導をしている。市場などでは農業を通じて台湾を認識し、好意を抱いている人が多かった。奨学金制度もよく知られていた。台湾が提供する奨学金を利用して台湾に留学していたという男性は、歴史的に見ても台湾はソロモンの長期的な友人だと話し、両国関係の見直しを図る政府の姿勢を疑問視した。

一方で、中国の経済圏への進出を危惧する声も多く聞かれた。非政府組織の職員によると、市内の中央市場周辺には、中国人が経営する店が立ち並ぶ。八百屋を営む男性は、これらの商人が販売業だけでなく、木の伐採などにも触手を伸ばしていると指摘し、現地住民の利益が奪われることへの不安感をにじませた。

今年4月に実施された総選挙をめぐっては、背後に中国に近い材木商と鉱物商の存在があることが噂されている。現政権が中国との国交樹立を強行すれば暴動が発生する恐れがあるほか、ソガバレ首相が辞任に追い込まれる可能性があると分析する声も出ているという。

2011年から14年までのリロ政権下で顧問を務めたRobert Luke Iroga氏は信頼できる消息筋の情報として、国会議員選挙に落選した候補者の中に、中国の資金援助を受け、当選したら中国との国交樹立を後押しする約束を交わした者がいることが分かっていると明かした。また、ソロモンが有する南太平洋で3番目に大きい漁場や豊富な木材・鉱物資源が中国に狙われているとも語り、巨額な借金の代わりにこれらの資源を奪われる「債務のわな」への危機感を募らせた。

(石秀娟/編集:塚越西穂)


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