(台北 29日 中央社)半導体受託生産世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は28日、規格に合わない化学原料が業者から仕入れた原料に含まれていたと明らかにした。問題が起きたのは南部・台南にある工場「14B」で、影響を受けたシリコンウエハーは1万枚以上に上るとの見方を示している。
同社によると、12ナノ(10億分の1)メートルと16ナノメートルの製造で歩留まり率に問題が出たことが19日に発覚した。同社はすぐに問題の材料の使用を停止し、顧客に通達したと説明。化学原料を供給した業者に原因究明を求める姿勢も示している。この業者とは長年取り引きがあったという。
この件による第1四半期(1~3月)の業績への影響はないとしている。同社の17日の発表によると、今期の営業収入は前期比22%減の73億~74億米ドル(約7980億~約8090億円)となる見通し。
29日、同社の株は2.84%下落した。今回のトラブルが台湾の株式市場に大きな打撃を与えるとの懸念が上がっている一方、影響は短期的なものだとの見方もある。台湾の株式市場は30日、春節(旧正月)前の最終取引日を迎える。
(張建中、潘智義/編集:楊千慧)