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台湾に留学した中国人学生、写真展で複雑な思いや感謝伝える

2019/01/08 18:43
台湾での中国人留学生の悩みを反映させた汪家欣さんの作品=本人提供

台湾での中国人留学生の悩みを反映させた汪家欣さんの作品=本人提供

(台北 8日 中央社)台湾での約5年間の学生生活をもうすぐ終える中国人留学生、汪家欣さんが、失敗を恐れず、勇敢に夢を追いかけることを教えてくれた台湾に感謝し、別れを告げようと台北市内で写真展を開いている。作品を通じて、中国人留学生の台湾に対する思いや両岸(台湾と中国)間の情勢に翻弄されるやるせなさなどを伝える。

湖北省出身の汪さんは1996年生まれ。18歳から台湾の大学で広報、広告などを学んだ。1990年以降に生まれた中国の若者は小さいころから台湾の映像作品を見て育ち、台湾文化の影響を深く受けていると語る汪さん。だが、留学先に台湾を選ぶと、往々にして両岸どちらにも歓迎されない存在になりがちだともらす。台湾での生活には外国人とは別の規定が設けられているほか、中国に戻っても台湾の学歴の採用や就職に関して制限があると汪さんは説明する。

汪さんは作品に中国人留学生の苦悩を反映させた。「台湾で就職できない」「自由にアルバイトができない」など台湾での決まりが書かれた布にがんじがらめにされる女性の写真はその一つ。「自業自得」、台湾人を蔑視する呼称「台巴子」など、中国人から浴びせられる冷たい言葉もつづられた。

汪さん自身、台湾に来たばかりの頃は、歴史から生まれた両岸間のわだかまりに悩まされた。だが、台湾の多元的、開放的な教育や、教員や同級生らとの交流の中で、それらは徐々に消えていった。今では、多くの台湾人がネット上で中国を批判するが、実生活の上では友好的で、それは中国も同じだと指摘する。「心を開き、訪れてみて初めて台湾の良さが分かる」と、中国人がじかに台湾に接することの重要性を訴えた。

展示会場のメッセージボードには、すでに台湾を去った中国人留学生たちの「台北は私の第二の故郷」「夢の中でも(台湾に)戻りたい」などという伝言が並ぶ。全て汪さんが集めたもので、台湾への感謝の念が込められている。台湾での暮らしが人格形成にも役立ったという汪さんは、14億の人口を誇る中国では台湾留学を経験した自分たちの存在は微少だが、「台湾で学んだ多元性や包容力をこれからの人生で運用していける」と、ポジティブな一面をのぞかせた。台湾を離れた後は、米ニューヨークの大学院への留学が決まっている。

写真展は9日まで。

(繆宗翰/編集:塚越西穂)


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